ＡＢＣＤ皮膚科

かぶれ、アトピー性皮膚炎、湿疹、水虫、いぼ、ニキビ、肌荒れ、じんましん、ヘルペス、脱毛症、帯状疱疹の皮膚科診療を行ってます。皮膚疾患は慢性的に経過することが多い。
お子さまの皮膚疾患に関し、湿疹、アトピー性皮膚炎、あせも、とびひ、おむつかぶれ、水いぼ、いぼ、一人一人の皮膚症状を治療し、保護者のスキンケアを説明します。

●「かぶれ・湿疹」とは
正式には接触性皮膚炎。刺激物質、アレルゲン（アレルギー反応おこすもの）が皮膚に接触し生じる皮膚炎のことです。

大きく分けると、刺激性とアレルギー性に分類。明確に区別できないことがあります。

多いものは、草や花でのかぶれ、化粧品かぶれ、金属かぶれ、市販の外用剤でのかぶれがあります。湿布かぶれは、光刺激が加わって初めて皮膚炎が起きる場合があり、注意が必要。

●検査
原因物質と考えられるもののパッチテストをすることがあります。当院では金属パッチテストを行っています。

●治療
原因となる接触源との接触をさけることです。
その上で、副腎皮質ホルモン外用剤で皮膚の炎症を抑え、抗ヒスタミン薬の内服にてかゆみを減らすようにします。

●スキンケア
かぶれにくい肌にするために保湿剤により角質の水分量をあげることは有効です。
入浴時にナイロンタオルなどでこすることは皮膚状態を悪化させますのでやめましょう。

●アトピー性皮膚炎
かゆみと湿疹が出現、慢性に経過する疾患。
皮膚乾燥とバリアー機能の異常、遺伝的な皮膚の弱さ、湿疹体質が原因。皮膚乾燥、外からの刺激を肌が守ってくれるバリア機能が低下、アレルギーもととなる環境アレルゲンが侵入しやすくなり発症増悪。
最近は、皮膚の弱さ・湿疹体質の背景で、フィラグリン遺伝子異常による皮膚バリア機能障害が注目されている。

患者の多くはアトピー素因を持っている。アトピー素因は、気管支喘息・アレルギー性鼻炎・結膜炎・アトピー性皮膚炎のいずれか、複数の疾患を持つIgE抗体を作りやすい素因をいう。

乾燥バリア機能異常の肌にアレルギーをおこしやすい体質が加わり慢性的な皮膚炎になるといわれている。

体調・ストレス・気候変化・汗・搔き壊しによって増悪する。アレルゲンは、乳幼児では食物アレルゲン、ダニ、ハウスダスト、カビ、花粉があり、アレルギー有無を血液検査で確認することがある。

●治療
治療方針は、日常生活の支障、薬物療法を必要としない状態、軽い症状が続き急激な悪化はなく悪化しても持続しないようににコントロールすること。基本的には体質を変える治療法はなく、対症療法になる。

●外用療法
① 副腎皮質ステロイド外用薬
② タクロリムス外用薬
２つがアトピー性皮膚炎の炎症を十分に鎮静する薬剤。有効性と安全性が科学的に立証されています。
副腎皮質ステロイド外用薬は副作用を心配し、少なく塗ることが多くしっかりと外用することが大事。正しく使用していれば問題はない。
症状の有無に関わらず週２、３回外用するプロアクティブ療法が注目されている。

●内服療法
抗ヒスタミン薬内服はアトピー性皮膚炎のかゆみ軽減に有効。

●スキンケア
入浴、シャワーで皮膚を清潔にします。乾燥バリア機能障害を補う為、保湿剤、保護剤でスキンケアを行うことがアトピー性皮膚炎の治療で大切。スキンケアは炎症再燃を抑えるのに有効。皮膚に余分な刺激を与えないライフスタイルが大切。

●水虫・タムシ
真菌という微生物でケラチンという蛋白を栄養源にし生息する皮膚糸状菌という種類がある。この菌は白癬菌で足に感染したら足白癬（水虫）、股に生じたものを股部白癬（インキンタムシ）、頭部にできたのものを頭部白癬（シラクモ）、以外の体に生じたら体部白癬（タムシ）といいます。

●いぼ、水いぼ
「いぼ」の正式名称は疣贅。ヒトパピローマウイルス感染症です。「水いぼ」は伝染性軟属腫で伝染性軟属腫ウイルスによる感染症。

●疣贅
子供の手足に多く発症。皮膚の小さな傷から侵入考えられている。ヒトパピローマウイルスは２００種類以上ある。それぞれのタイプで症状も違う。

●伝染性軟属腫
子供に多く、浮き輪、ビート、板プールなどの接触感染により多発。アトピー性皮膚炎患者は短期間に増加します。自然消退する可能性が高い。
治療はピンセットで摘除が一般的。疼痛を和らげるためにリドカインテープで前処置を行う。ドライスキンの小児は皮膚バリア機能が低下しいるのでスキンケアも大切。

●にきび（尋常性ざそう）
ニキビは一つの毛包に脂腺が開口している脂腺毛包を病変の場とする疾患で思春期に脂腺が肥大、皮脂が多く作られることで発症の引き金となる。

●原因
第一は脂腺肥大。第二は毛包内常在する細菌プロピオニバクテリウムアクネス。第三は毛包開口部の角化をおこし閉塞。毛包内部が角質貯留となり嚢腫状になり閉鎖面皰が形成される。

①脂腺の肥大
脂腺はテストステロンというホルモン支配を受けている。男性は睾丸由来、女性は副腎、卵巣由来のテストステロンが皮脂の産生を高める。
女性で月経前後にニキビ悪化する。このホルモンの分泌亢進によるもの。脂腺で生成される皮脂約60％は中性脂肪。炭水化物からも生成されます。油っこいもの、甘いものを食べ過ぎると脂腺の肥大をきたす。

②アクネ菌
毛包内増殖したニキビ菌をもつ脂肪分解酵素が皮脂成分の中性脂肪分解し遊離脂肪酸を生成する。
ニキビ菌は炎症にかかわる白血球を引き寄せる走化因子が分泌される。遊離脂肪酸と毛包周囲に引き寄せられた白血球に毛包壁が破壊、毛包を中心に真皮内炎症がおこる。炎症が進展すると毛包中心が化膿した膿疱がみられる。

③閉鎖面皰形成
コメド状態は閉鎖面皰、微小面皰、開放面皰に分けられる。
毛穴の中に白色丘疹を閉鎖面皰、黒色物質を開放面皰といいます。黒いのは塵埃などが付着した状態。

●治療方針
皮疹の重症度で抗菌薬の外用療法、漢方内服療法、内服療法、アダパレン外用、イオウ製剤、非ステロイド剤外用など組み合わせる。

●生活指導
一日２回洗顔、バランスを考えた食事、ノンコメドジェニック化粧品を選ぶことが必要。厚化粧すると毛孔が塞がり低酸素状態になります、ニキビ菌は増殖する。ファンデーションを使用した日は帰宅後したら直ぐに洗い落とす。二次感染を誘発して、皮疹を悪化させます。